日々のパフォーマンスのために心がけていること
先日、前田ヒロさんのPodcastに出演させていただきました。
テーマがタイトルの通り「ハイパフォーマンスのための工夫」だったのですが、話がマニアックかつ、話すのが楽しくて用意していたアジェンダの半分も消化できないという事態に見舞われました。
また周囲からも「面白かったけど文字で読まないとよくわからない」というフィードバックもいくつかいただきました。そこで、本ブログで収録前に準備していたShow notesを公開します。
※ヒロさん、ありがとうございました!
Q) 矢本さんが自身のパフォーマンスを意識し始めたのはいつ頃ですか?
大学生、アメリカンフットボールのプレイヤーとして活動していて、日々のケアをしながらどうやってプレイヤーとしてのパフォーマンスを高めていくか、というイシューと向き合ったのがきっかけ
Q) パフォーマンスの重要性。なぜ目指すべきか?
- 人生は不確実で短い(地震被災で痛感)。
- 最大限自分らしく生きるため、大事な人を守るための手段。
Q) 経営者としてハイパフォーマンスを維持するために以下をどう考えるべきか
スケジューリング
- すべてGCalに入れて自分の時間を可視化している
- 22-4時 睡眠、5-6時 ジムをrecurringで確保してしまっている
- 予定はCalendlyで調整してもらい、日程の監督コストをゼロに近づけるようにしている
- 水曜日は終日ブロックして、社内コミュニケーションを最優先にしているので、外部の人はどうやっても水曜日の自分の時間はとれない
- 同じ用に作業に集中すべきときはカレンダーを先にブロックしてしまう
タスク管理
- Notionにカンバンを作成して、日報を更新していく
- プライベートでも同じ用にNotionで運用している
- それを関係者にすべてオープンにするので、自分が何をしているのか筒抜けになっている
食生活
- めちゃめちゃこだわっている
- PFCと摂取カロリーを毎日管理している
- 微量栄養素はコントロールしにくいのでサプリ
- 計算がしにくいので外食はできるだけ避けている
- お酒は筋肉を分解するので一滴も飲まない
習慣
- 朝起きてからジムへ移動するまでの時間がインプットの習慣。本を読む、記事を読む、Podcastを聞く、収録する、テキストを書く、Sportsの動画を見るなどはここでまとめてやっている
- 最近は誰にも見せないけど詩を書いたりしている。美しい詩的な表現にグッと来る。やってみたくなった
- 土日は二人の息子がいる家族のために全力で時間を振り向けているので、ものすごい体力的に疲労する笑
経営
- どういう会社になっていたいか、というのはすべてValueに詰め込めた。
- 10Xから逆算する、自律する、背中を預ける
- これらはすべて自分や石川といった創業者、そして今いるメンバーが会社に持ち込んだ理想像を言語化したもの。大事にしたい
- Valueが明確なので、経営方針で迷うことがほとんどない
リフレッシュ
- 料理をしたり、文章を書いたり、組織図を書くでも、社内向けの小さなドキュメントを書くでも、何かを創ることによってリフレッシュできる
- プロダクトを触りながらどうしていこうか議論したり、会社の体制について考えたり、そういう創作行為そのものが自分にとっての大事なリフレッシュの時間でもある
メンタル
- メンタルはかなり安定している方だと思う。それでも良いときもあれば悪いときもある
- どういう状態にあれど、自分の精神状態がどういう状況なのかを常に言語化するようにしている
- それは自分のためにするときもあるし、外部へ周知するためのときもある
- 悪いまま接しても仕方がないけど、悪いときに創った文章だったり音声だったりが自分や誰かのためになるときもある
- 創作という行為に助けられている
ストレス
- 起業する前にストレスを抱え込む事があった。その経験から、自己理解が深まった
- どういうときにストレスを感じやすいか。一つは不確実性がない退屈な瞬間。もう一つは複雑な人間関係を調整しながら妥協を重ねていく、みたいな状況がストレス
- 内省の結果、ゴールのアラインしていない、成長力の低い組織でのハレーションがストレスの原因になることが判明した
- なので起業はできるだけこれを避けるように会社を創っている側面が強い
- その他何かあれば
Q) To CとTo Bの開発プロセスの違い
- 抽象化されたベースは全く違いがない。ユーザーのペインを見抜いて、その構造自体の変化をどうやって生み出すか。プロダクトは抽象度が高いイシューにアプローチし続けるべき
- StailerはBtoBtoCなので、Cの利用が進まないとBに価値が出ない。エンドユーザーが一番向くべき先だと考えている。小売自体がそういう業態なので、Bともズレがない
- 違いがあるとするとビジネスへ昇華するときの不確実性の処理の仕方、HOW
- CはN万人のユースケースと向き合う必要があり、完全なアライメントが難しい。例えば解約をデイリー単位でできるサービスは殆どない
- Bだと意思決定のタームがもっと長かったり、予算が明示化しやすかったり、プロトコルがつくりやすい。完全なアラインを目指せる
Q) Vertical SaaS特に複雑性の高い大きな産業に向けてのプロダクト開発
- はじめから複雑で大きなものをすべて理解して創ることは難しい
- 何がイシューなのか、を間違えないこと。そのためにリサーチ力やイシューアナリシスが絶対になる
- 開発する物自体の難しさより、何からスタートし、どういうアプローチで複雑さを解決していくか、のほうが重要。ソフトウェアではなく、意思決定機構を正すガバナンスの問題だったり、ビジネスアライメントの問題だったりすることのほうが多い
- ソフトウェア以外の部分も含めてイシューを定義しながら、優先度を決めていくWhole Product的なマネジメントが必要。このためには分業体制ではなく、様々な情報を誰かに集めて意思決定していくほうが良いと感じている
Q) 矢本さんが経営やマネジメントで最近変えたこと。
- 一気に権限移譲した。まず自分に絶対の自信があったプロダクトを共同創業者に、同じく得意だと思っていたファイナンスやコーポレートをCFOに、事業開発のリードを現場のメンバーに
- 会社全体のバイタルチェックと、10xのための先手、不確実性の高い事業意思決定、社内構造の整理に時間を使うように変えた
- ただ任せるとは言ってもこっそり全部レビューしている。単純に楽しいから
- まだまだフェーズの若く小さな会社なので、自分自身が背中で語る、みたいな意識はやっぱり強い
Q) あとその他Yamottyさんが最近パッション持っているテーマは何ですか?
- 日本電産永守さんが、今年の中経で50年計画を発表し、100年トップをやると話していた。自分のマインドにすごい近い
- 長い時間を掛けて、半径1mの人を救える偉大な会社を作りたい、と考えている。Day1から変わらない。はじめは「プロダクト」だったけど、いまは「会社」に変わった。対象範囲がユーザーだけでなく、すべてのステークホルダー、社会に
- 関わってくれた人が、「10Xでの、あの出来事が印象に残っている」と話せるような機会をたくさんつくりたい
- そのためには自分の器としての格が足りないと思っている
- トレイルブレイザーを読んで、マーク・ベニオフが縁を積み上げるうちに想定もしなかった問題(LGBT、Woman Enpowerment、移民問題など)と向き合うことになった、と書かれていた
- 事業の影響度を高めていくということは、こういった社会の一部として振る舞うことなのだと理解した。いまから意識しないと、と背中が伸びた
以上です。なにかの参考になれば嬉しいです。