真のPMF(翻訳)

この記事はシリコンバレーの著名なスタートアップ・アクセラレーターであるY Combinatorが2016/6/27に投稿した「The Real Product Market Fit By Michael Seibel 」の翻訳記事だ。

 
私は「本人がプロダクトマーケットフィット(PMF)に達したと信じ込んでいる一方で、実際にはプロダクトマーケットフィットに達していない創業者」と話すことがよくある。彼らは実際に何を構築する必要があるのかを発見する前に、人々を雇い、バーンレートを上げ、そしてプロダクトを最適化し始める。これは大きな問題だ。
この記事は、あなたが本当のPMFを見つけたとき、それを正しく理解できるよう書いている。
まず始めに、Marc Andreessenによる「The only thing that matters」を読んでほしい。これは私にとって起業家として最も影響力のある記事であり、わたしがPMFという言葉と初めて出会ったものだ。
Andreessenが定義するプロダクトマーケットフィットは以下のとおりだ。
顧客は、あなたがプロダクトを作るのと同じぐらいのスピードでプロダクトを購入する - あるいは、あなたが多くのサーバーを追加するより早くユーザーが増加する。ユーザーからの収益があなたの会社の当座預金口座に積み重なっていく。あなたはできるだけ早くセールスとカスタマーサポートのスタッフを雇おうとしている。
別の言い方をすれば、ユースケースに圧倒されたときをPMFとみなす、とも言える。このとき、プロダクトを稼働させ続けるだけで忙しいので、プロダクトに大きな変更を加えることすらできない。
創業者はしばしば「従業員数または資金調達の大規模なラウンド」をもってPMFに到達したことを示そうとする。私が探しているのは、増え続ける幸福、忠実さ、そして理想的にはお金を支払ってくれる顧客に必死にに対処し続ける創業者チームだ。それまでは、リーンに保ち、バーンレートを低くし、そして陸軍大隊の代わりに海軍のSEALチームのように働くのだ。

プロダクトマーケットフィット = まずマーケットに焦点を合わせること

創業者は、解決策を厳格にとらえすぎ、問題をゆるやかにとらえすぎる傾向がある。問題、すなわちマーケットは真の機会だ。問題を解決する方法についての、あなたのユニークで特別な考えversion.1は通常間違っており、プロダクトの立ち上げ、顧客との会話、そしてその繰り返しを通してのみ、実際にPMFに達するプロダクトを見つけられる。創始者の才能は、ほとんどの場合、解決すべき正しい問題を選択する際に発揮される。Andreessenが書いたように、「マーケットはスタートアップからプロダクトを引き出す」のだ。
Sequoiaでは、「髪の燃えている」顧客を見つけることについてと話している。創業者として、私はそれが何を意味するのかを理解するのに時間をかけることをしなかった上、それが単なる投資家によるマーケティングの発言だと思った。しかし、いま私が創業者と話すとき、私はそれをより明確に説明するために隠喩を拡張する。友人があなたの隣に立っていて、彼らの髪燃えていたとしたら、その火があなたにとってこの世で本当に気をつける唯一のものになるだろう。お腹が空いていたり、仲違いをしていたり、会議に遅刻していたり​​したとしても、問題だと思うことはなくなるだろう。あなたが友人にホース - 完璧にPMFした解決策 - を手渡したならば、友人はすぐに火を消して、元通りにもどるだろう。たとえ、あなたがレンガを手渡したとしても、彼らは火を消すために頭にレンガをぶつけるとするだろう。あなたは「たとえ不完全な解決策でもユーザーが試したい」と思えるような真の問題を見つける必要がある。
YCでは、創業者にMVP(実現可能な最低限のプロダクト)の構築を奨励している。良いマーケットでは、MVPがあなたを最初の顧客の元へ連れて行ってくれる。顧客と対話し、プロダクトをv2、v3、v4へ導くためのフィードバックを得られる。小さな企業が大企業を上回っている点は、速く動き、異常に優れたサービスを提供することで問題に対処でき、そして顧客の期待が低いことだ。PMFを見つけるために、ユーザーに真の、意味のある問題を抱えているマーケットを選択し、迅速に立ち上げ、ユーザーの声に耳を傾ける。
実際にPMFを見つけることができたら - おめでとう - 、コアプロダクトの最適化を開始し、効率性を高めるために専門家を雇い、戦略的投資を行うことができる。同時に、多くのスタートアップがこれまで夢見てきた以上に、プロダクトを先へ進めるのだ。
(了)