Whole Product と プラットフォーム

直近の10Xは「Stailerをプラットフォーム化することを目指します」という方針をクリアにして、各所発信をしています。しかし過去にはStailerを「Whole Product」表現をしていたりしていました。
「プラットフォーム」と「Whole Product」どちらも一般的なソフトウェア開発の世界では一般的とは言い難い言葉です。
 
この2つの概念は矛盾するものなのか?対立するものなのか?両立するものなのか?このあたりを整理してお伝えできるようにするため、本記事をご用意しました。まずはそれぞれの言葉の意味するところを今一度確認しましょう。

プラットフォーム とは?

実はソフトウェアにおけるプラットフォームという言葉は「あまりに使われすぎているものの、そのコンテキストに依って定義が違いすぎる」という特徴を持っていると思います。
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例えば各社のプラットフォームという言葉の用法の違いは、私が3分で検索した以下の3つの記事を読み比べるだけで感じていただけると思います。
 
そこで10XおよびStailerについてはプラットフォームという言葉を内部・外部的に定義をして発信をしています(以下、記事参照ください)。
Stailerはどういった"プラットフォーム"になるのか
「Stailerの課題はなんですか?」と問われたら、最近は「スケーラビリティです」と答えています。 一つ一つが一球入魂のパートナーとの事業推進にかかる負担を軽減し、より高い成果を型として10Xがアウトプットするにはどうすれば良いか。この問いに対するストレートな答えが「プラットフォームとしての進化」にあると思っています。 本論の前に「 noteがFacebookやTwitterにならないためには、と考えてみた (2020) 」のなかで引用されていた「 The Bill Gates Line By Ben Thompson (2018)」というエントリに非常に感銘を受けたため、これを使ってプラットフォームとは何かという概念を揃えておきたいと思います。 The Bill Gates Line 」のエントリの始点は「GAFA等のBig Techが提供するサービスは必ずしもすべてがプラットフォームではない」というところにあります。そこでプラットフォームという概念と、対比として生まれるのがアグリゲーターという概念です。 プラットフォームとアグリゲーターという2つの概念については以下のように書かれています。 This is ultimately the most important distinction between platforms and aggregators: platforms are powerful because they facilitate a relationship between 3rd-party suppliers and end users; aggregators, on the other hand, intermediate and control it.
 
Stailerはなぜプラットフォームであるか
  1. Stailerを活用する「小売企業(パートナー)」および「Developer」が経済価値(売上)を創出することができるからStailerはプラットフォームである
  1. Stailerは小売企業(パートナー)とDeveloperが共同で構成するプロジェクトとエンドユーザーの間の関係構築の「支援」に特化するからプラットフォームである
Stailerは「小売企業」「Developer」という2つの存在に対して、「ユーザー(消費者、スタッフ、従業員」との関係を構築するための材料を提供し、この2者の経済活動を最大化することからプラットフォームであると定義づけることができる。

Whole Product とは?

こちらは「聞き慣れないために一般的ではない」という性質の言葉です。しかしこれは提唱者の定義に則って活用を試みることができます。 「Whole Product」の出典はTheodore Levitt氏の著書、「マーケティング論」です。この概要についてはこのブログにて丁寧に説明されているため、ぜひこちらをご参照ください。
 
Levitt氏の定義するWhole Productには4つのステージがあり、Generic Productから徐々にそれらを補完する機能、サービス、そして保管サービスへと広げていくことで顧客の期待を完全に満たすプロダクトを達成できる、という概念です。先程のブログから図も拝借します。
Stailerは「パートナーが、ネットスーパーを実現できる」というコアプロダクトから、例えば「多様な外部システムを連携できる」といった機能によって期待プロダクトを目指し、さらに商圏分析サービスなどを通じて拡張プロダクトを満たします。
 
更にオペレーション構築のためのバックヤードやセンター倉庫の設計サービスと、その実現に必要な機能やインテグレーション等の顧客価値をより完全に満たしていくための「機能と非機能」のロードマップがあります。 これをすべて達成することで理想プロダクトを目指しています。
 
つまり、製品と、補完的なサービスによって顧客により完全な価値を提供する(ことを目指す)ため、StailerはWhole Productであると言えます。

つまり、2つは並立できる概念

どちらも定義の一般化が難しい用語で、用法が難しいことには変わりません。他方で、こと10XやStailerにおいてはこれら2つの用語で伝えたいことは全く別物であり、並立可能な概念である、と結論付けられます。
用語10Xでの定義伝えたいこと
プラットフォーム「小売企業」「Developer」という2つの存在に対して、「ユーザー(消費者、スタッフ、従業員」との関係を構築するための材料を提供し、この2者の経済活動を最大化するStailerはプラットフォームを目指すことで、製品をより多くのパートナー・お客様へ向けてスケールできる状態を目指します
Whole Product製品と、補完的なサービスによって顧客により完全な価値を提供する10X・Stailerは製品だけではなく、それを補完できるサービスも組み合わせてより高度な価値提供を目指します
以上、10Xのメンバーからこのどちらかの用語をお聞きした際には、ぜひ上のテーブルで整理して捉えていただけると嬉しいです。
 
10Xはプラットフォームであり、Whole Productを創っている!と胸を張れるよう、また今日も明日も自分たちの現場でやっていきです。
 
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10X 採用情報
私たちは今、Stailerを通じて「すべての人の買い物体験を10xする」ことを目指しています。誰もが日常的に利用するお店での買い物体験や、小売の現場でお客様を365日支える方々の仕事体験。「買い物」をとりまく体験を、プロダクトの力で理想の姿にしていくのがStailer事業です。
もっと便利で、もっと多様な購買体験に、日本中の誰もが当たり前にアクセスできる社会を目指して。私たちの仕事は、私たちが大切にしたい誰かの生活と確かにつながっています。
この機会を形にしていくため、各種ポジションで絶賛採用中です。 カジュアル面談や、オープンオフィスの機会もありますのでご関心いただいた方はぜひお話しましょう。