yamotty、大阪へ引っ越したってよ

投稿日
2022/1/17
カテゴリ
Essay
2022年1月、約10年間住んだ東京を離れ大阪へ引っ越します。拠点を完全に大阪に移し、家族との生活の基盤をまた1から創っていきます。
 
仕事については夫婦共にリモートワークをベースとしつつも 1−2日/週 のペースで東京オフィスや地方各地に出張するスタイルとなります。
 
自分にとっても、家族にとっても、仕事の面でも大きな決断となった背景を綴っておこうと思います。

🏘一時的な拠点変更の結末


昨2021/8、東京の新型コロナ感染者数が連日最高値を更新していたこと。私たち家族はとくに子供の身を守るために一時的に青森へ拠点を移していました。詳細は以下にまとまっており、このポストはその続編になります。
 
実は1ヶ月でこの試みは終わりを迎え、感染拡大がさらなるピークを迎えつつあった東京へ家族全員で戻ることとなっていました。
 
その背景としては実家両親の心労でした。私の両親は既に引退しており、ゆったりとしたリズムで生活を営んでいたところ。
 
そこへ私たち4人が一挙に押し寄せたこともあり大きなストレスを与えてしまっており、話し合いを経て、再度東京へ戻ることとなりました。息子としては大きな反省とともに、どこかで自分が持っていた「両親や実家への甘え」は完全に捨て去ろうと決意することにもなりました。

💭私たち家族が得た気づき


こうして終わりを迎えた青森での生活ですが、私たち家族には価値観を見直すほどの大きな気づきを得られる機会となりました。
 
最も大きな変化は子供たちが誰の目も気にせず思いのまま過ごせる「物理的・心理的余白の重要さ」に気付かされたことです。
 
  • 周囲には常に多くの人の目があり、迷惑をかけないことを強く意識せざるを得ない
  • 例えばマンションでは下の階に響かないように生活をしなくてはいけない (特にコロナ以降、下の階から苦情をよくもらい、解決策が見いだせず家族全員、精神的に辛かった…)
  • 公園は大混雑、思ったように遊べない
  • 自然は日常から遠く、「おでかけ」が必要
 
都心での生活はこれが当たり前となっています。
 
青森での生活は対象的でした。人が少ないことや、自由な環境でのびのびと過ごす子どもたちに、今まで見たことない表情を見てしまったのです。
 
もとより田舎育ちから東京に出てきていた私は、はじめはどこか息苦しさを感じながらも適応してしまっていたと思います。また、「仕事が東京にあるから」という理由で惰性的に東京に住むという選択をし続けてきました。いや、住む場所を変更するなんてそもそもはじめから選択肢にすら挙がっていなかった、というのが正確でしょう。
 
この青森での機会は、環境が子どもたちに与える健やかさと、その可能性を「親の都合」で閉じていた自分への強い嫌悪感をもたらしました。
 
コロナから家族の身を守りたい、という一心で拠点を変えた中で得られた気づきは、私にとって家族の暮らし方を揺さぶるものとなりました。

✈️新しい拠点探し


東京へ戻った2021/9。私とパートナーの間で「次の拠点探し」というプロジェクトをキックオフ。
 
青森で得た気づき、子どもたちへ用意したい環境、今後のワークスタイルの見通し、住宅市場の動向等...。こういった観点を踏まえながら、まず二人で6つのクライテリアを策定しました。特に上の4つは「子供のための環境」という観点で優先付けました。
 
👉
拠点探しの ”6 Criteria”
  1. 周辺との騒音問題の解消
  1. 自然環境へのアクセスが良いこと
  1. 学校環境が良いこと (特に公立)
  1. 家の中でWFHと子育てのスペースが確保できること
  1. 東京への移動コスト/フレキシビリティの担保
  1. リセールリスクを低く抑えられること
 
これにフィットする住環境の選定を行い、浮かび上がったのが「関東郊外の一軒家」か「大阪北摂エリア(住宅形式問わず)」の選択肢でした。
 
具体的な物件やエリア訪問を重ね、択は後者へ絞られていきます。大阪は仕事の出張も頻繁だったため、これらとくっつけたりして、数えくれないほど訪問しました…。
 
情報収集の段階ではやはりTwitterに助けられました。気になったエリアの学校の調査などはリアルに情報がなく、Twitterでの検索やこうした呼びかけに応じてくれた方の助言に本当に助けられました。ありがとうございました。
 
子供と一緒に建売一軒家(エリア)もいくつか訪問したことで、マンションとの違いをはっきりと理解できました。
子供と一緒に建売一軒家(エリア)もいくつか訪問したことで、マンションとの違いをはっきりと理解できました。
東京都心では絶対に見られないニホントカゲ@北摂。東京では近所のカナヘビを捕まえて飼っていた子供はテンションがぶち上がっていました。
東京都心では絶対に見られないニホントカゲ@北摂。東京では近所のカナヘビを捕まえて飼っていた子供はテンションがぶち上がっていました。

🪨意志決定の要因


6つのクライテリアに対し、2つの択を並べて検討したものの大阪への意思決定は比較的スムーズでした。検討を開始して1ヶ月でターゲットを大阪に決定、2ヶ月目で住居も確定し売買契約締結するようなスピード感です。
 
そのスピードが出せたのは、私とパートナーの間で「子どもの環境を最優先する」という共通項が明確だったからだと思います。
 
クライテリア1〜3のスコア積分が重要で、4や5は私とパートナーが「選択を正解にする」と初期から握れていたのはまさに阿吽の呼吸だったと言えます(6はエリア・市場の所与)。
 
大阪はパートナー出身地でもあり、子どもたちが慣れ親しんでいたエリアであることも一助になりました。

👨‍👩‍👦‍👦今後の暮らしについて


2022年初、パートナーと子どもは私より一足はやく大阪へ移動しました。
 
子どもたちは東京での生活や長年の友人との別れを名残惜しく感じながらも、ゆっくりと心の整理を進めているように見えます。いくつかの葛藤と戦いつつも適応を進める彼らの姿に、目に熱くなるものがこみ上げます。しばらくは彼らの心をケアしながら心身の拠り所を創っていきたいと考えています。
 
また私やパートナーの仕事の面ではどうでしょうか。新居は部屋数が多い間取りを選ぶことができたため、リモートワークのためのプライベートスペースはしっかりデザインできる予定です。
(余談ですが、東京都心との地価の差に愕然としました。同じコストであれば遥かに余裕のある暮らしができる水準です)
 
新居からは伊丹空港・新大阪駅のどちらへも20分以内でアプローチができ、特に伊丹経由であれば東京までDoor to Door 90分ほどで到着できます。私もパートナーも、どうしても立場や職責のために東京出張が一定の頻度で必要となりますが、このくらいであればなんとかやっていけそうだという感触は得られています。
 
引っ越しを経て、親子ともに新生活に慣れるまではかなりバタバタとするでしょう。それでも日々の暮らしの中で家族が喜びをたくさん見つけられるように、この決断を正解にできるよう頑張っていきたいと思います。
 
今回の私たちの選択は、あくまで私たちの家族のものです。これが正解だと誰かに押し付けるつもりはありません。ただ似たような迷いを持っている誰かにとってのヒントとなれる文書となれば幸いです。
 
もしこのブログの読者の方に関西在住の方がいらっしゃいましたら私たち家族と仲良くしてください。どうぞよろしくお願いします。

🧑🏻‍💻PS. 10Xでの仕事にもたらした気付き


主題とは逸れるため、最後に付け加えてさせてもらいます。青森への一時的な拠点移動は「10Xでの仕事」の面でも極めて重要な気づきをもたらしてくれました。
 
経営する10Xという会社が提供するサービス「Stailer」は、小売とお客様を結ぶプラットフォームであり、エンドユーザーのユーザー体験に対して常に示唆を得続ける必要があります。
 
10Xが推奨する行動規範(Do)である「ひとりの重大なイシューからはじめる」はこれを明言したものです。サービスを創る人が、ヘビーユーザーであるのが一番強いと思っています。
 
しかし、Stailerの契約企業は既に日本の地方各地に分散しています。
 
東京にオフィスを構える私達が「リアルな手触り感」をもって「東京以外で展開するサービスのエンドユーザーの重大なイシュー」を理解し続けるのは不可能です。この点については従前より漠然とした危機感を感じていましたが、青森への移動を機に、確たるものとなります。
 
青森へ移り住んだ私は、東北で展開する「薬王堂 P!ck and」のサービスを一人のユーザーとしてかなりヘビーに使うことになります。そこで遠方では見えていなかったイシューが浮かび上がりました。
初めてリアルに P!ck andを利用した日
初めてリアルに P!ck andを利用した日
 
このことは「リリース後のサービスをどうPMFさせ、成長させていくか」という論点を10Xの中に生み出しました。2021年中はこうして得られたIssueへの解像度をプロジェクトへ昇華し、私が直接リードするなどしていました。そしてこれらの過程を経て、最終的には「10Xと私 -2021年-」で発表したマトリクス組織への昇華に繋がります。
 
同時に経営としては、サービスを創るメンバーが東京に一極集中し、似たような環境で・都市的な生活を送る均質さは明確なリスクと捉えました
 
手前味噌ながら10Xのメンバーは非常に優秀で分析力が高いメンバーが揃っています。それでも「ユーザーがもつ”背景”を正しく認識できていない」というが会社の中にくっきりと存在していたのです。
 
市井の人の生活を支えることを目指す10Xにとって、「創り手側の視点の多様性」は事業の前進を止めないため、お客様との最前線に立つために必須なものに思われました。
 
こうした背景は最終的に10X Workstyleへと発展しました。会社の方からも改めてアナウンスさせていただいています。
 
メンバーの多様性、暮らしの多様性、得られる視点の多様性。すべてがStailer事業に繋がる重要なものです。その意図が10X Workstyleという制度には込められています。
 
事業が正しく・早く進むという前提を守り、同時に個々が人生の選択を正解にできるような基盤を用意する。これが10Xの組織的なチャレンジの一つです。ぜひこの環境をつくること、そしてこの環境を土台としてStailerという事業へ一緒にチャレンジするメンバーをお待ちしています。