2023年はPMFの1年
あけましておめでとうございます。
TL;DR - 2023年の幹
私はCEOとして、2023年を「Stailerにとって2度目のPMFを目指す1年」と位置づけています。このための活動がこの1年の幹と考えます。
PMFは非常に抽象的な概念ですが、ここでは「顧客(ユーザー)の集合であるマーケットがStailerに強烈な価値を感じている状態」を指します。別の言い方では、「市場がプロダクトをPullしている状態」といった表現もされますが、私はこれをとても的確な表現だと考えます。
そして私達(10X)が一度経験したように、PMFは同時に組織のあり方や、事業開発のあり方、財務マネジメントのあり方を変化させるプレッシャーを生み出し、多面的に対応も同時に求められるでしょう。
Stailer 2年半の沿革
Stailerは初期的なリリースを果たした2020年は単なるCXアプリケーションとそれを実現するためのWebサイトコントローラーでした。それでもイトーヨーカドー、フレスタ、ライフというパートナーに恵まれ、ネットスーパーというこれからの成長市場に対してエントリーをすることができたといえます。
2021年はこのStailerのバリュープロポジションを「ネットスーパーのためのWhole Product」へ変更すべく、プロダクトラインを大幅に拡張した1年でした。
- 店舗オペレーションをDXするためのWMS
- 配達オペレーションをDXするためのTMS
- そして複数店舗をマネジメントするための管理画面
- CXのために新たに追加されたWebサイト
こういった「機能群を短期的に充実させる」というチャレンジによって、新たにネットスーパー事業を開始する野心的な小売企業への事業開発が拡大していきました。
2022年は「ネットスーパーのWhole Product」として骨格を形成したStailerを、多数のパートナーへ実際にスケールし、GMVがグッと成長し始めた1年でした。
しかし上記を表舞台とするならば、裏舞台では「短期間での機能的な充実」を優先したことによる、様々なトレードオフへ向き合った1年でもありました。それはつまり、
「品質の充実」
「組織の充実」
「技術的基盤の充実」
の3つが常に会社のトップフォーカスで有り続けた1年でもありました。
Stailerの3年目
今、私達が対峙している顧客の課題は以下のようなものです。
- 特定の業態や、ローカルのための独立した機能を追加したい
- 既存のシステム/ベンダとの連携を容易にしたい
- よりスムーズにお店の顧客基盤と連携したい
- 特定のオペレーションだけをより高度に置き換えたい
- 事業展開に必要な固定費を抑制したい
これらに対応するプロダクトの姿こそ第2のPMFに求められている状態だと捉えています。
それはモジュール・ファーストなプロダクトであり、組織であり、事業であると考えています。
まさに以下の記事に記した、エンタープライズ・プラットフォームへとStailerのあり方をトランスフォームしていくことです。
これらを実現するのは一足飛びでは不可能です。
ソースコードをモジュールの設計に応じた凝集度に整理し、
モジュールが独立して活動できるデータモデルへ再設計され、
モジュールごとに事業と開発 ( = ROI) の責務を同時に追求できる組織となり、
モジュールごとに重要な意思決定から実行を一気通貫し、
モジュールと事業(パートナー) のインターフェースを明確にしていく必要があります。
全社的なアライメントを作る覚悟で経営をしていくのが3年目のチャレンジとなります。
One more thing…
モジュール・ファーストへ向けた取り組みと同時に、国外へのStailerの展開というチャレンジも足元で発生しています。
当然ながらあらゆる点でさらなる不確実性を抱え込むことになりますが、「停滞する日本だけではなく他国でのリターンを事業へ還元する」という意義も持ちます。
この機会に際しては、私個人も起業したてのマインドセットで臨んでいます。会社の新たな駆動力とできるかどうか。とてもワクワクしています。
と、いうことで今年のStailerの1年について記述してみました。
これらのチャレンジに参加してくれるメンバーを積極採用中です。
どうぞ今年もよろしくお願いします。
10X 採用情報
私たちは今、Stailerを通じて「すべての人の買い物体験を10xする」ことを目指しています。誰もが日常的に利用するお店での買い物体験や、小売の現場でお客様を365日支える方々の仕事体験。「買い物」をとりまく体験を、プロダクトの力で理想の姿にしていくのがStailer事業です。
もっと便利で、もっと多様な購買体験に、日本中の誰もが当たり前にアクセスできる社会を目指して。私たちの仕事は、私たちが大切にしたい誰かの生活と確かにつながっています。